2人に1人ががんに? 注意したい「がん」
2010.4.1更新
日本では、悪性腫瘍が増加し、今や生涯2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなっています。日本人全体のがん死亡は約30万人です。しかし、がんは、早期発見・治療で完治の可能性は高いのも事実です。そのためには、がん検診を定期的に受けることが重要。市町村などの検診を活用しましょう。
10年以上にわたり死亡率トップ
男女合わせた死亡数が最も多いがんで、年間約7万人の方が亡くなっています。近年は女性にも急増しています。喫煙との関係が深いことが科学的に証明されています。
患者数トップ
死亡数は第2位(約5万人)ですが、胃がんになる人は年間10万人を超えます。食塩の過剰摂取との関係も指摘されています。早期発見でほぼ100%治癒します。
患者数第2位、死亡数第3位
女性では患者数・死亡数ともに第1位、男女合わせた患者数は年間約10万人、死亡数は4万人以上です。2015年には死亡数第1位になると予想されています。
働き盛りの女性の死因のトップ
30〜64歳の女性の死亡原因の第1位です。年間約1万人が亡くなり、死亡数は40年間で約5倍にもなっています。早期ではほとんど治癒が可能です。
子宮頸がんが若い女性に増加
死亡数は年間約5,600人で、35〜39歳では第2位、30〜34歳と40〜44歳では第3位です。子宮頸がんはウイルス感染が原因で、近年は20〜30代に増加しています。
   

※国立がんセンター監修
●バランスのとれた栄養をとる
●毎日、変化のある食生活を
●食べすぎをさけ、脂肪はひかえめに
●お酒はほどほどに
●たばこは吸わないように
●食べものから適量のビタミンと繊維質のものを多くとる
●塩辛いものは少なめに、あまり熱いものはさましてから
●焦げた部分はさける
●かびの生えたものに注意
●日光に当たりすぎない
●適度にスポーツをする
●体を清潔に

 

早期のがんは自覚症状がない場合が多く、定期的にがん検診を受ける以外に対策はありません。しかし、日本はがん検診の受診率が20〜30%と非常に低いのが現状です。
受診率が向上すれば、がん死亡率が低下するはずです。
(参考)部位別がん検診の検査内容
 肺がん … X線検査、喀痰細胞診
 胃がん … X線検査、内視鏡検査
 大腸がん …便潜血検査、内視鏡検査
 乳がん …視触診、超音波検査、マンモグラフィ検査
 子宮頸がん … 細胞診
 
コラム

子宮頸がんの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)のワクチンが2009年10月に認可され、接種ができるようになりました。しかし、一部を除いて自治体などによる助成はなく、接種費用は自己負担になります。

 
監修/財団法人東京都予防医学協会理事 東京都がん対策推進協議会委員  小野 良樹
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